それからはまた平凡だけど
安定した日常に戻りました。

家の前で偶然会えば、
以前とは空気感は微かに違ったけど
それでいて何事もなかったように
挨拶を交わして時に世間話もした。

彼の奥さんとはランチ会をして、
夫が休みの日には夫婦でお出かけ。

束の間の夢を見ていただけって、
目の前にある幸せを大切にしよう、
これで良かったんだって思いました。

でも数ケ月が過ぎた頃、
彼から突然電話がかかってきました。
もう連絡もしないと約束したのに
ごめんねって。

何かあったの?って聞いても
ただ会いたいって言うだけで、

その神妙な声色や言葉少なめな彼に
ただごとではないと感じた私は、
急いで夕食の下準備を終わらせて
彼の元へ向かっていました。

彼の愛車の助手席に乗り込んで、
久しぶりの二人きりの空間。

彼はいつも通りに振る舞っているようで、
いつになく陰な雰囲気を纏っていました。