「お陰さまで落ち着きました。
お恥ずかしいところ見せちゃって…
足止めさせちゃってごめんなさい」

「全然大丈夫ですよ、この後の予定は?」

「この後は帰ります」

「運転代行呼んで送りましょうか?」

「落ち着いたから。ありがとう」

Kが飲み物を買ってきてくれて
私たちはドア越しに一緒に飲みました。

「本当に助かりました
怪我とかしなかったですか?」

「大丈夫、大丈夫」

「どうやって撃退してくれたの?」

「女の人いじめたらだめだよ
って言ったら逃げてっちゃった」

得意げに言う彼が
なんかおかしくて笑ったら
彼はかわいい笑顔で言いました。

「いつもの○○さん(私の苗字)
に戻ってくれて良かった」

Kの奥さんとは親しくしていたけど
彼と挨拶以外でゆっくり話したのは
たぶんこの日が初めてでした。

私は何度もお礼を伝えて、
二人はそれぞれの目的地へ向かいました。

その夜帰宅した夫に
その日あったことを一部始終話して、
後日奥さんとゴミ出しで会った朝も
躊躇いなく話していたので、  

その頃は何の疾しい気持ちもなくて
Kが偶然通りかかっていなかったら
どうなっていたんだろうって
ただ感謝の気持ちで一杯でした。